春の雨の日に

ぜんぶが始まって、ぜんぶが終わった。

雨傘

 

今、私の家の玄関には

雨傘がさしてある。

 

入り口に向かってさしてある。

 

廊下を通るとき、

それを見かけるたび、ふと考える。

 

今、泥棒が入ってきたらどうだろう。

 

鍵を開けることができて

チェーンもすいすい外してしまって

なにか目の端の下の方にあった気がするけど

「まあいいや」って、ゆっくり扉を開ける。

 

足を踏み入れた途端、ぼよんと弾き返される。

 

きっと泥棒は驚き、逃げてしまうだろう。

 

おまけに今日は傘を2本も使ってしまった。

扉に向かってその2本が泥棒を

「今か今か、弾いてやろうか」

と、思ってくれてるかもしれない。

 

 

去年に引き続き、今年の誕生日も雨だ。

初めて誕生日に雨が降った日を覚えている。

「あぁ、神様に見放された」

と、思った。

 

それまではなんとなく

理由とかがあるわけじゃないけど

神様に守られていると思っていた。

 

「さよなら」で悲しいのか

「一人前、おめでとう」で

嬉しいのかわからないけど

なんだかとても寂しかった。

 

もう、守ってくれる人はいないけれど

誕生日の今日、幸いにも雨が降り

私は傘を2本も使って

それは今玄関で私を守ってくれている。

 

私はまだ、神様に見放されたわけでは

ないかもしれない。

 

 

 

 

 

眠り

昔から眠りが浅かった。

 毎日毎日夢を見ていた。

怖いもの、日常を切り取ったようなもの、不思議なもの、切ないもの。

 

よく、毎日新しい物語が考えられるものだなと感心してしまう。

 

寝ていても起きていても

何かをずっと見てるから

いつかどっちが現実かわからなくなってしまわないか怖い。

 

いつも

考えすぎて結局

いつもにこにこしてしまう。

弱さを見せて慰めて欲しいし、

悲しいことがあったなら

泣いてそれをなだめてほしい。

でもいつも迷ってしまって

そうしているうちに

友達とはばいばいしてしまって

独りになって結局泣く。

いつになれば

弱さを見抜いてくれる人が現れるのだろう。

いつになれば

弱さの全部を見せられるようになるのだろう。

季節

どうやら、私が長く休んでいた間に

季節は少し移ろったらしく

あんなに硬そうで真っ白だった雲が

薄く少し灰色のうろこ雲に変わっていました。

 

気温も朝と夕方は

涼しく感じられるほどになっていました。

リップヴァンウィンクルの花嫁

綺麗な景色で

綺麗な人たちが

普通に生きていて

とても好きな映画でした。

 

不思議で透明で素敵でした。

 

初めて邦画で1ヶ月後くらいに

じわじわときた

「Love Letter」と

同じ監督さんと知って

更に好きな映画になりました。

 

同監督の

四月物語」「リリイ・シュシュのすべて」「花とアリス」も

持っているので観るのがとても楽しみです。

音楽

ライブとかないと、練習したって

「上手くなって何の意味があるんだろう」

って迷うのに

練習しないといけない場面に

なったらなったで

「好きな曲を弾きたい」

って思ってしまう。

 

もちろんひとりでライブに出るなら

練習不足であっても

自己責任だからいい。

でも他人が関わる時は

相手にも迷惑がかかるから

ちゃんとしなければと思ってしまう。

でも、そんな責任感から練習するのは

あまり楽しくない。

 

何事もそうかと思うけど

好きなことであればあるほど

嫌だなって思う時に

とてもとてもつらくなる。